ビジネス向けプレゼン資料の作り方

ビジネス用プレゼン資料を作成するうえでのポイントを、企画・構成・資料作成・その他Tips、それぞれの観点からご説明します。

色による伝わりやすさの違い

色によってプレゼンの伝わりやすさが変わってくる

プレゼン資料の情報には、文字や図表など様々な要素から成り立っています。その中で、要素の一つである「色」が重要な役割を持っています。なぜなら、色にはプレゼンで伝えたい内容を増幅する効果もあれば、逆に打ち消してしまう(分かりにくくしてしまう)リスクもあります。色の選択はとても大事な要素です。

 

色使いの基本は、統一

何色を選ぶか、ということの前に、まずは色に関する最も重要な基本ルールから。

プレゼンの基本であり最も重要なことは、理路整然と伝えたいことを伝える事。その観点から色使いについて考えるとき、プレゼン全体を通じて理路整然とした感じを最も伝えやすいのが色調を統一するという事です。色調を統一する、というのは、プレゼン全体を通して同系色だけでまとめる、あるいは、一般的に統一感を感じさせる組み合わせの色を使う、ということです。同系色や統一感を感じさせる組み合わせ、については下のカラーパレットはを参考にしてください。特にこだわりがある場合を除いて、同系色でまとめるのが基本となります。

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色によってプレゼンの感情を増幅させる

基本ルールを押さえた上で、次がテーマカラーの選択です。使う色によってプレゼンの持つ感情を増幅させる方法について説明します。まずはテーマカラーを決めましょう。テーマカラーにする色は、シンプルに「メインカラー」「アクセントカラー」の2色。メインカラーは、プレゼン資料を作成していく中で一番多く使用する色であり、プレゼンの印象を決定づける需要な役割となります。「赤」には力強さや活動的な印象を与える、「青」には知的で堅実な印象を与える、「緑」には安心感や自然な印象を与えるというように、色がもつ効果は様々です。ビジネスシーンでは、真面目な印象を与える「青」を使うケースが多いです。スライドに合った色、またはコーポレートカラーがある場合には、そのカラーをメインカラーにするのもいいでしょう。

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色によるスライドのイメージの違い

一方で、アクセントカラーは、強調したい部分に使用します。そこで「補色」が重要となってきます。まずはこちらの「色相環」をご覧ください。

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色相環

色相は、赤、黄、緑、青といった色味の違いを指し、この色相をリング状に並べた図が「色相環」となります。そして、色相環の反対側に位置する色が「補色」となります。この補色は、お互いの色を最も目立たせる色の組み合わせのことです。例えば、青色の補色は橙色、紫色の補色は黄緑色となるように、アクセントカラーには補色を使いましょう。

このように、補色を使って目立たせたい場所に聞き手の視線を誘導する仕掛けがプレゼンには必要です。

 先ほどの事例に補色を取り入れた事例がこちらです。

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PPTでプロジェクトマネジメント?

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文字情報からスライドを作成する方法

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全てのプレゼンは、可視化されるかされないかは別として、すべて文字情報から出発します。文字からスライドに落とし込むとき、どういう手順を踏むのがいいかについてご説明します。今回はデザインの話ではなく、どのような考え方で文字情報をスライドに変換していけばいいか、というご説明です。

この作業を頭の中でやってしまって、スライドの構成から直ぐに入っていける方もいらっしゃると思いますが、考え方の整理のために、お付き合いください。

実際にqualityslideにご依頼をいただいた内容をベースに、ご説明します。新卒採用に使用される会社概要プレゼンの中の、会社の沿革についてのスライドです。

ご提示いただいたのは、文字で記載いただいたリストです。

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まず、このスライドで伝えたいことは何か、を考えます。実際には、この作業は「ストーリーをつくる」工程でやっています。

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採用活動用の資料における「会社の沿革」ですので、伝えたいメッセージは恐らく「こんなに歴史のある安定した会社ですよ」とか、「まだ数年なのにこんなに勢いよく成長している会社ですよ」とか、何かしらの時間軸と会社の状態を掛け合わせたメッセージになるのではないでしょうか。つまり、「沿革」というページに盛り込まれた文字情報を、「時間」と「会社の状態」という二つの観点で整理していく、というのがスライドへの変換時に意識することです。

 次に、「時間」や「会社の状態」に関する情報をもっと分かりやすく伝えるための情報は何だろう、という事を考えます。最初にご提示いただいた内容から、既に設立や支店拡充についての事実はしっかり理解できます。さらに、という事でご提案したのが、ビジュアルでも分かりやすいようにするために写真を入れること。さらに、この長い歴史を通じてどういう状態になったのかを、追加の情報としてご提示いただきました。それが、「伝統の継承」という言葉に凝縮されています。(この後のスライドで”伝統”の意味がしっかりと解き明かされるようなプレゼンにまとめられました。)

ここまでくると、あとは若干デザインの話も関わってきますが、先に挙げた「観点」はどういう性質のものだろう、という事を考えます。この事例では特に「時間」に着目しました。時間は、流れるものです。つまり、ベクトルを持ったものですよね。なのでそれを素直に視覚化することで、聞き手も自然に素直に理解が進むものです。また、意識したいのは、人の感覚の中でベクトルは普通どちらに進むかな?という点です。これも素直に表現します。水平方向(X軸)であれば、左から右ですよね。

まとめると、伝えたいこと(メッセージ)は何かを考え、そのメッセージを分解するとどういう観点に分解できるかを考え、その観点に沿って情報を膨らませ、その観点の性質を素直に視覚化する、ということになります。

qualityslideでは以下のように視覚化しました。

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プレゼン作成の手順② ストーリーをつくる

目的を熟考したら、それを達成するために何を「伝えたい」かを考える、つまり、ストーリーをつくることが必要になります。qualityslideではこれを「プレゼン資料の企画」と呼んでいます。

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 前回の目的を熟考するまでは自分が主体だったので考えやすいと思いますが、ここから先の工程は、聞き手をいかに正しく捉えられているかが重要になってきます。聞き手の立場、興味関心、他社の状況など、色んな事をイメージする必要があります。
 前回同様、投資家向けのプレゼンを例にとって考えてみます。目的は、新規に投資をしてもらうこと、という前提にします。
 この場合、最終的に伝えたいことは、当社に投資したら絶対に損はさせませんよ!ということではないでしょうか(財務面だけでなく、投資家のブランド価値向上、などの場合もあるでしょう)。
 ダイレクトに伝えるためには、「今後数年間で当社の企業価値は高まっていき、現在投資していただいた額は〇〇年後には××倍の価値にまで高めます、だから当社の事業を投資を通じて支援してください」、という事を伝えます。
 さらに、投資家の方の立場に立って考えてみると、将来の計画の蓋然性を知るために過去の財務状況を知りたい、本当に信頼に値するメンバーなのか、事業モデルに納得性はあるのか、などなど、将来の成長を保証してくれるような安心材料について、確認したくなるでしょう。
 それらを踏まえ、以下のような構成のプレゼンを用意していくのがいいのではないでしょうか(一例です)。
  1. 会社概要
  2. 事業モデル(市場が十分に大きいこと、他社に比べて勝てるポイントなど)
  3. 過去の財務状況の説明
  4. 今後数年間の事業計画
  5. 投資価格の妥当性
  6. 実行メンバーが事業計画を達成しうるに足ることの説明
 このように、最終的に「伝えたいこと」と、その納得性を高めるために伝えるべきことを、伝わりやすい構成、順番で丁寧に言葉にしたものが、ストーリーです。
 プレゼンの目的も聞き手も全く同じという事は稀です。だからこそ、ストーリーも毎回毎回ハンドメイドにならざるを得ず、最もハードルが高い工程です。
 プレゼンの目的や聞き手について伺いながら、どういう構成で作成するのがいいのか、その際にどういう情報を盛り込むのがいいのかを一緒に相談しながらご支援させていただきます。
 
 プレゼンでお困りの方は当社までご連絡ください。

プレゼン作成の手順① まずは目的の熟考から

まずは、プレゼンの目的が何なのかを熟考する
 
皆さんがプレゼンされるのはどういう時でしょうか?
イメージしやすいのは、投資家向けに自社の事業を説明する、新卒採用時に学生に会社説明をする、新規事業案を社内で説明する、などでしょうか。
 
投資家向けに自社の事業を説明する場合を例に取ってみます。この時の目的は何でしょうか?自社の事業を説明する、だから、会社概要を理解してもらうこと?あるいは、財務状況が強いことを理解してもらうこと?もちろんケースバイケースですので答えは一つではありませんが、”投資家向け”なので、恐らく自社に投資してもらうこと、あるいは、投資を引き上げないでもらうこと、が目的ではないでしょうか?
 
当たり前に理解できることだと思われる方も多数いらっしゃると思います。自分が能動的にやろうと思っていることであれば、むしろ目的が先にきているので考えるまでもないことでしょう。
 
しかし、社命でやることになったプロジェクトの場合、あるいは他社がやっていて自社でもやらざるを得なくなった場合は難しいこともあるでしょう。一見”当たり前”に見えることですが、目的がしっかりとらえられていないのでは?というプレゼン、皆さんもたくさん見てこられたのではないでしょうか。
 
目的がズレると後の工程全てがズレてきます。何はともあれ、必ず、まずは目的を熟考しましょう。
 
 
 
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プレゼン資料はストーリーから始まる!

一番最初にやるべきことは、ストーリーを作成すること。
 
ストーリーとは、プレゼン全体を通じて聞き手に「伝えたいこと」です。徐々に分解しながら説明していきます。
 
プレゼンは、必ず何かしらの目的をもって作成し、聞き手に説明します。その目的を達成するために相手に理解してもらいたいことが、「伝えたいこと」ですよね。つまり、「伝えたいこと」を明確にすることが最も大切なことなのです。
 
「伝えたいこと」を伝えるために、10枚なり20枚なりのスライドに伝わりやすい順番で、伝わりやすい構成で、また、伝わりやすい言葉で伝え続ける、それがプレゼンです。
 
つまり、1枚1枚のスライドがしっかりとした役割や伝えたいことを持っていて、それが集まって全体として「伝えたいこと」を伝えるわけです。1枚1枚のスライドが持っている「役割や伝えたいこと」はメッセージと呼ばれています。
 
上記を言い換えると、ストーリーは、メッセージの集合体と言えると思います。
 
まとめると、プレゼンは何かしらの目的を持っていて、その目的を達成するために「伝えたいこと」があり、それがストーリー。ストーリーはスライド1枚1枚にちりばめられたメッセージの集合体。そして、メッセージの順番や構成、言葉を丁寧に吟味して、伝えたいことをより効果的に正確に伝えられるかどうかがプレゼンの質を決め、それによってビジネスの速度が変わってくるものだと考えています。
 
これが、プレゼンを作ることの全体像です。では、作成者の立場から、具体的にどういう順番で考えていくのがいいのかについて、この後のブログでご説明します。
 
 
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