ビジネス向けプレゼン資料の作り方

ビジネス用プレゼン資料を作成するうえでのポイントを、企画・構成・資料作成・その他Tips、それぞれの観点からご説明します。

プレゼンの本質は、理解してもらう事!

プレゼンにおいて最も意識すべきことは、なんといっても、聞き手にしっかりと理解してもらう事ですよね。そのためにどんな内容を意識すればいいのか、さらに深い理解を促す方法はないのか、についてご説明します。

ストーリを考える時、ついつい「全て」を盛り込みたくなりますが、本質と関係性の低い情報やメッセージがあると、聞き手の理解を妨げてしまい、正しく伝わらないことが多々あります。聞き手のキャパシティは、意外と大きくないという事を頭の片隅に(逆もしかりで、自分が聞き手の場合は謙虚に意識しましょう!)。

ストーリーの作り方はこちら。
qualityslide.hatenablog.com

とは言っても、複数の聞き手がいる場合などには、どれが関係性が低いのか高いのか、判断に迷うことがありますよね。だからと言ってあれやこれや、全部盛りにしない勇気を持ってください。本編に入れるかどうか迷った情報は、質疑応答で応えられるように別途スライドを用意しておけばOKです(特に、担当者が作って、課長・部長がレビューして、みたいなプロセスの場合、資料が膨大に膨れ上がってしまうので要注意です!)。

伝えたい事を、最も効率よく正しく伝えるプロセスとは
「聞き手の理解」の話に戻ります。
プレゼンする内容は、当然ながらプレゼンターが最も詳しいです。そして、改めてプレゼンしなければならないような事というのは、理解するのも難しい事が多々ありますので、聞き手は、①いったん聞いて自分なりに理解し、②それを質疑応答を通じて確認する、というプロセスを通じて深い理解へと繋げていきます。なので、本質部分だけをしっかり理解してもらって、それに沿って聞き手個人の興味関心、あるいは責任分野に関係する質問を聞き手から引き出し、それに丁寧に答えていく、という方法が、もっとも効率よく正しく伝えるためのプロセスになります。

その観点から、質疑応答用の情報・スライドをしっかり作り込んでおけるかどうかもプレゼンにおいて非常に重要な要素になりますので、大事なプレゼンではぜひ、そこまで用意しておきましょう。

いい質疑応答とは?
質疑応答が大切だ!という事をご理解いただけたと思いますが、いい質疑応答とは、どういうものだと思いますか?聞き手はスーパービジネスマンばかりではなく、ほとんどのケースが、”うまく表現できていない質問”です。それを汲み取って聞き手が質問したいであろうことに応える、というのが「いい質疑応答」です。難しそうですか?例を挙げてみます。敢えて身近な例として、採用面接を想定してみましょう。
あなたの経歴書を見ながら面接官が、
 「マネージャーも経験されていらっしゃるんですね?」
と聞いてきたとき
 「はい、5名の課で課長をしていました。」
と回答しました。これでは恐らく不十分でしょう。面接官は、あなたのマネージャー経験がうちの会社でもフィットするかどうかを知りたいはずなので、それを意識しながら、a)どういう状況で、b)どうやってマネージしていた、c)それらの経験は次の会社でも活用できる、という事を”解説”してあげる回答というのがベストな回答です。

プレゼンでも同じです。例えば会社買収の案件説明において、「企業価値はいくら?」と聞かれたとすると、どういう根拠で計算した、他の事例からしても高すぎない妥当な価格、という情報は最低限知りたがっているはずですね。聞きたい事をうまく表現できていない質問から、聞きたいであろうことを汲み取る、これがとても重要です。

プレゼン内容やその案件自体に最も詳しいプレゼンターだからこそ、聞き手だったらこういう事が気になるんじゃないだろうか、という事に想いを馳せて、聞き手の立場に立って優しく質問を受け取ってあげる、そんなプレゼン・質疑応答ができれば、ベストだと思います。


今回はプレゼンそのものについて、少し踏み込んでみました。
資料に限らず、プレゼンの進め方、Q&Aの準備の方法などなど、ご質問いただけますと幸いです。

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