文字情報からスライドを作成する方法
全てのプレゼンは、可視化されるかされないかは別として、すべて文字情報から出発します。文字からスライドに落とし込むとき、どういう手順を踏むのがいいかについてご説明します。今回はデザインの話ではなく、どのような考え方で文字情報をスライドに変換していけばいいか、というご説明です。
この作業を頭の中でやってしまって、スライドの構成から直ぐに入っていける方もいらっしゃると思いますが、考え方の整理のために、お付き合いください。
実際にqualityslideにご依頼をいただいた内容をベースに、ご説明します。新卒採用に使用される会社概要プレゼンの中の、会社の沿革についてのスライドです。
ご提示いただいたのは、文字で記載いただいたリストです。
まず、このスライドで伝えたいことは何か、を考えます。実際には、この作業は「ストーリーをつくる」工程でやっています。
採用活動用の資料における「会社の沿革」ですので、伝えたいメッセージは恐らく「こんなに歴史のある安定した会社ですよ」とか、「まだ数年なのにこんなに勢いよく成長している会社ですよ」とか、何かしらの時間軸と会社の状態を掛け合わせたメッセージになるのではないでしょうか。つまり、「沿革」というページに盛り込まれた文字情報を、「時間」と「会社の状態」という二つの観点で整理していく、というのがスライドへの変換時に意識することです。
次に、「時間」や「会社の状態」に関する情報をもっと分かりやすく伝えるための情報は何だろう、という事を考えます。最初にご提示いただいた内容から、既に設立や支店拡充についての事実はしっかり理解できます。さらに、という事でご提案したのが、ビジュアルでも分かりやすいようにするために写真を入れること。さらに、この長い歴史を通じてどういう状態になったのかを、追加の情報としてご提示いただきました。それが、「伝統の継承」という言葉に凝縮されています。(この後のスライドで”伝統”の意味がしっかりと解き明かされるようなプレゼンにまとめられました。)
ここまでくると、あとは若干デザインの話も関わってきますが、先に挙げた「観点」はどういう性質のものだろう、という事を考えます。この事例では特に「時間」に着目しました。時間は、流れるものです。つまり、ベクトルを持ったものですよね。なのでそれを素直に視覚化することで、聞き手も自然に素直に理解が進むものです。また、意識したいのは、人の感覚の中でベクトルは普通どちらに進むかな?という点です。これも素直に表現します。水平方向(X軸)であれば、左から右ですよね。
まとめると、伝えたいこと(メッセージ)は何かを考え、そのメッセージを分解するとどういう観点に分解できるかを考え、その観点に沿って情報を膨らませ、その観点の性質を素直に視覚化する、ということになります。
qualityslideでは以下のように視覚化しました。
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