ビジネス向けプレゼン資料の作り方

ビジネス用プレゼン資料を作成するうえでのポイントを、企画・構成・資料作成・その他Tips、それぞれの観点からご説明します。

レイアウトで変わる伝わりやすさの違い

レイアウトを整えるだけで、プレゼン資料は見違えるほど整理された印象に変わります。レイアウトを考える上でのポイントは、揃える、余白をとる、コントラストを明確にする、の3つです。

 プレゼンでは、聞き手の立場に立って考えることが大切です。情報を整理し、事柄の関係性に合わせて文字や図表を配置するなど、理解しやすい形にしてスライドに落とし込むことで、聞き手に対して効率的に伝えることができます。ここでは、デザイン要素の一つであるレイアウトにフォーカスして、ポイントの3つを順にご説明します。

 

1. 揃える

文字や図形を揃えることで、そのスライドの内容そのものも整ったものであるという印象を、初見で印象付けることができます。もちろん、プレゼンで最も重要なのは中身です。ですが、物事は初見で先入観を持たれがちなのも、また摂理。プレゼンをする側にとっては残念なことでもありますが、メラビアンの法則のように、視覚情報がプレゼンの内容に大きく左右することが多々ありえるのです。ならば、より伝わりやすくなるには、と視点を変えてそれをそ活用しましょう!

文字や図形を揃えること、つまり「整列」です。整列は、文字や図表などの要素を端や中央の位置に合わせて揃えることです。とてもシンプルですね。下の例をご覧ください。少し極端に表現しましたが、左右のコンテンツは全く同じ大きさの図と文字です。初見で、明らかに右のスライドの方がいい印象を与えるのではないでしょうか。

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今度は、大きさを揃えるべきか、あるいは逆に、大きさを揃えないべきか、という観点で「揃える」について考えてみます。

下の図を見てください。左側のスライドは、図が不揃いに並んでいます。単純に見栄えが悪いというのもそうなのですが、この状態の何が最も問題なのかというと、図形の大小が何らかの意味を持っているように錯覚させてしまう事があるからです。人は無意識のうちに、大きいもの、太いもの、濃い色のものに重きを置く習性があります。仮に並んだ3つの図形で示されるものが等しく重要な意味を持っていたとしても、大きさが違うことで、無意識に大きなものに強い意識が集中してしまうものです。実際に伝えたいことは、「等しい重要性を持った選択肢3つがあります」というプレゼンだった場合、不揃いな図形を並べることで、無意識に大きな図に意識を集めてしまい、「重要性が等しい3つの選択肢」という情報を伝えづらくなる、という事が起こりえます。

一方で口頭では、上記の通り「等しい重要性」という内容を伝えようとするでしょう。その場合、聞き手は視覚情報と説明との間に生じるギャップに対し、ストレスを感じ、伝えたいメッセージに歪みを生じさせてしまうことになります。読みやすさや見易さも低下してしまいますよね。右側のスライドのように、等しい重要性のものは等しい大きさに、そのシンプルなことに気を配るだけで、統一感のある整理されたスライドになり、伝わりやすさが向上します。少し気を配るだけで、得られる効果はとても大きいと思います。

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2. 余白をとる

余白のないスライドは窮屈で非常に読みにくい上、印象もよくありません。余白は、文字とスライドの端、文字と文字、文字と図表の間にスペースを空けましょう。そうすることで、整列と同様に、見た目が美しくなります。1.と同じ観点ですね。ほんのちょっとした配慮で統一感が高まり、視覚情報としてのクオリティが上がります。

 

3. コントラストを明確にする

先の1.の説明では、重要性の等しい場合について説明しました。一方で情報には、優先順位や順番を明確にして伝えたい場合も多々あります。雑誌や広告などを見ると、まずは「タイトル」があり、そして「小見出し」「本文」がありますね。このように視線を誘導することで、読み手が迷子にならない工夫が施されています。このことをコントラストを明確にする、と言います。プレゼンの場合もコントラストを意識することで、自分が伝えたい順番に聞き手の視線や理解を誘導することが可能なのです。いたってシンプルで、より優先順位の高い情報は大きく and/or 太く and/or 濃くという事を意識すれば大丈夫です。一番取り入れやすいコントラストのつけ方として、まずは文字サイズを意識するのがいいと思います。文字サイズの変更に加えてさらにコントラストをつけたい場合は、色や太さを変えるのも次の手段になります。

Tipsとしては、ジャンプ率(*)が高いと躍動感のあるデザインになり、逆にジャンプ率が低いと落ち着いたなデザインに仕上がる、というのも使えるテクニックだと思います。本文の文字サイズを小さくするよりは、タイトルの文字サイズを大きくしたり小さくしたりすることでジャンプ率を調整するほうが、全体的なバランスが整いやすくなりますよ。

 *本文の文字サイズに対する、タイトルや小見出しの文字サイズの比率のことを「ジャンプ率」と言います。

 

レイアウトのやり方には、他にも様々な方法がありますが、まずはこの3つから始めてみましょう。

 

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